2010年度山行記録


4月10日(土)〜11日(日)八甲田山(くもり、くもりのち晴れ)

参加者

小森、梅崎、熊谷、高橋、Iさん、Uさん(計6名)

行程

10日 秋田組出発(7:00)→買い出し、昼食→八甲田ロープウェイ着(12:50頃)→八甲田ロープウェイ出発(1340)→山頂駅出発(14:00頃)→宮様ルート経由→酸ヶ湯温泉着(16:30)→入浴、宴会→就寝(22:30)
11日 八甲田ロープウェイ出発(900)→大岳環状ルート経由→酸ヶ湯温泉着(13:00頃)→城ヶ倉温泉入浴、黒石にてつゆ焼そば食べる(16:00)→秋田組到着(19:00頃)

メモ

今年からスノーボードで山を滑り始め、憧れがあった「八甲田」。憧れが現実のものとなり、数日前からそわそわしていました。出発当日、秋田市は雨でしたが、八甲田は曇り。意外と暖かく感じる気温でした。翌日の天気の悪化を懸念し、すぐに準備を始めてロープウェイに乗車。下界は穏やかだったのに、山頂駅は強風。少し登って、ルートの分岐で記念撮影。その後、滑り始めましたが途中で登りになり、ボード組は板をはずして歩き、また滑りの繰り返し。初めての横移動に悪戦苦闘しました。湿り雪で、黄砂があって、傾斜がゆるいと引っかかって止まるのです。スキーヤーの皆さんはゆったりと楽しんでいる様子。テレマークが欲しいと思った瞬間でした。今回は時間が遅くなるといけないので、大岳は明日のお楽しみに。宮様ルートを下り、無事に酸ヶ湯温泉にたどり着きました。老舗の湯治宿って古くて汚いという想像をしていましたが、お部屋・お風呂・炊事場のきれいさに驚きました。案内の方の対応も親切で気持ちよかったです。千人風呂は情緒があって由緒ある温泉に来た気分を味わえました。お肌もすべすべになりました。(混浴で入る勇気はありませんでした)。みんなで協力して「もつのラーメン鍋」「ホルモン焼き」を作り、熊谷さんのお土産のシュウマイも一緒に美味しくいただきました。IさんのIH鍋が大活躍。明日が本番なので、お酒はほどほどに(?)、早めにお開きとなりました。
 翌日は、ガスがすごくて視界不良・・・。あらゆるパターンを想像して、車をロープウェイ・城ヶ倉・酸ヶ湯の3箇所に分散させ、山頂まで上がる。やはりガスがすごく、おまけに強風。いきなり高橋さんが行方不明に!熊谷さんが必死に笛を吹き、一同はらはらしながらガスで見えない空間を見つめる。スキーの音が響いて、高橋さんが見えたときは本当にほっとしました。やっぱり山って怖いな〜と思った瞬間でした。その後はみんなで固まって昨日と同じ道をたどりながら、天候の回復を待ちました。昨夜の雨で、雪はカリカリ。1日でこうも変わるのかと驚きました。次第に青空が見える時間が長くなり、熊谷さんのテンションが上がっていきます↑すっきりと青空が広がり、遠くに岩木山、下北半島が見えたときはあまりのきれいさに感動〜。また、振り返ってみると青空と雪山のコントラストが美しくて、私もテンションアップ↑しかし、風が強すぎるのと残り時間、体力を考えて大岳山頂は断念。撮影会もしながら、大岳環状ルートを楽しく滑り降ります。下のほうに降りると雪は軟らかくなっていました。酸ヶ湯温泉でお土産を物色し、城ヶ倉温泉に入って、「黒石つゆ焼きそば」を食べて解散となりました。(秋田組は行きも「黒石つゆ焼きそば」を食べたのですが、お店によってかなり味や作り手の個性が違うことを学びました)。
 突然の企画にかかわらず、集まってくださった方々には感謝でいっぱいです。みなさん、ありがとうございました。今度はしっかり焼きそば屋さんをリサーチしておきますので、また行きましょう!(小森レポート)

メモ2

メンバーの方の紹介で参加させて頂きました。バックカントリーツアーは今回で2回目でしたが、全体的にゆったりとしたスケジュールだったのでノンビリと楽しむことができました。また、湯治部に泊まって皆で晩御飯食べたり(飲んだり)、下山後の食事も楽しむことができたのでツアー以外でも大満足でした。 時間が合ったらまた参加させて頂きたいと思います。皆様ありがとうございました。(Iさんより)

 滑降を前に大岳をバックに一枚

 宮様コースから田茂萢岳を振り返る

 今回の宿となった酸ヶ湯


6月19日(土)白地山(晴れ)

参加者

梅崎、小森、鈴木、高橋、橋本、三浦、三浦さんの職場の人(3名)計9名

行程

市役所集合(5:30)→登山口(8:50 / 9:05)〜ミソナゲ峠(10:40)〜山頂(12:40/昼食/13:10)〜ミソナゲ峠(14:40)〜登山口着(16:05)→清風荘にて入浴→市役所着(19:45)

メモ

 橋本さんのおかげか、今年も晴れ。たけのこシーズンは終わりに近いが、駐車場にはたくさんの車と、入山料を徴収するおじさんがいた。上の方には太いたけのこがあること、少しなら採ってもいい(?)みたいなことを言っていた。今回は、私たちは山頂の湿原を目指すのである。たけのこは二の次、と思っていた。一同、山頂に思いを馳せ、鈴木さんは道中のたけのこへの誘惑に耐えつつ、マイヅルソウが群生した登山道を軽快に進む。天気がいいのは結構なのだが、無風で蒸し暑い。時折見える、ちょっともやがかかって神秘的な十和田湖の眺めに癒された。
 意外に早く、前回折り返し点のミソナゲ峠に到着。ここからは未知の世界へ踏み出す。それまでは、たけのこは二の次、と思っていたのだが・・・。密集した太い笹薮に、いくつもの極太たけのこを見つけた途端、理性を失った。まずは、鈴木さんが我慢の限界に達し、ザックを背負ったまま笹藪に突入。途中、ストックや座布団などあちこちに落としていた。そして、私も鈴木さんが残しておいてくれた(?)おこぼれを回収すべく突撃。私ですら、笹でズボンを破いたほどエキサイトしたのである。でも、膝の部分でよかった。変なところだと、登山続行不可能か変態扱いされるところだった。梅崎さんは慎重に様子を見つつ、きちんと格好を整えて突入。さすがベテランである。もう夢中で、他の人の様子は分かりませんでした・・・(多分ほとんどの人が笹藪にもぐったと思われる)。
 しばし、たけのこ採りで盛り上がり、我に返って当初の目的に復帰。山頂手前の湿原は広く、ワタスゲやハクサンチドリが咲いていていい気分。吹き渡る風にやっと汗が乾いていく。ここまで来たらと山頂まで頑張った。下山途中は、さほど良好なたけのこも見つからず、一同「長い」を連発しながら、ひたすらに駐車場を目指す。行けども行けども辿り着かない感じがした。
 長い旅路のあと、高橋さん以外はワールドカップ観戦にも間に合ったようでした。皆さん、夜も白熱したと思われます。ドライバーのお二人は、長距離ドライブ本当にお疲れ様でした。おかげさまで、盛りだくさんな一日を楽しめました。(小森レポート)


6月26日(土)和賀岳(晴れ)

参加者

三浦、藤田、梅崎、橋本、Nさん、Iさん 計6名

行程

秋田(5:30)→登山口近く駐車場(7:30)〜甘露水登山口(水場)(7:40)〜ブナ台(8:00)〜滝倉(水場)(8:35)〜避難小屋跡(8:39)〜倉方(9:12)〜薬師分岐(9:55)〜薬師岳(10:02/10:30)〜薬師平(10:40)〜小杉山分岐(11:02)→小鷲倉(1354M)(11:36)〜和賀岳山頂(12:20/13:15)〜小鷲倉(13:45)〜小杉山(14:08)〜薬師岳(14:50)〜倉方(15:23)〜小屋跡(15:50)〜滝倉(水場)(15:56)→ブナ台(16:28)〜甘露水(16:50)〜(17:05)駐車場→温泉入浴→秋田(20:00)

秋田市から往復140q 登山口から登り4時間40分 下り3時間30分

和賀岳の注意点

・地図でみる以上に距離があるように感じる。
・登山口〜薬師岳山頂までは、つづら折りの登りが続く。ここで体力と水分を消耗すると後がきつくなるので注意が必要。
・薬師岳山頂〜和賀岳の尾根道は、高低差はさほどないが、遮るものがなにもないので、強風や雷に要注意である。突風や夏は特に直射日光にも注意が必要(帽子、日焼け止めは必須)。
・和賀岳の頂上が見えることからペースが上がりやすくなるが見た目以上に距離があるのでペース配分に気をつけること。特に薬師岳までの登りで体力消耗が激しい場合は危険である。
・薬師岳〜薬師平〜和賀岳の高山植物はみごとである。

感想

 昨年来、会山行、一部会員の個人山行で幾度も登頂を試みていたが、天候に見放され到達できなかった和賀岳。今回自分は初チャレンジ。梅雨に突入し今回も天候が不安だったが到着した登山口は晴天。駐車スペースは、ほぼ満車。体調はちょっと車に酔い気味。
 地図では薬師岳までは登りが続き、薬師岳から和賀岳までは尾根を進む。和賀山塊と言われるにしては、楽に思えた。準備をしていよいよ登山開始。
 薬師岳まではつづら折りの登りが続く。道は登山道として思った以上に整備されており、特にきつい箇所はない。しかし・・・杉林の中を登っていくと無風のため汗が一気の噴き出る。暑い。夏山登山である。登っていくと次第に植生はブナ林となる。やはり、暑い。セミが盛んに鳴いていた。
 滝倉で小川(沢)を渡る。ここでしばし休憩。とても冷たい沢水で生き返る。また出発するがすぐ暑くなる。ようやく、薬師岳までの稜線上の倉方到着。ここでは森の中を通ってきた冷たい風が吹いており、涼しかった。一同休憩。再度、生き返った。
 再出発すると植生は笹などの低木になり、道道にニッコウキスゲなどの高山植物が疲れた我々を迎えてくれた。標高は高くなり少しは涼しくなるかと思ったが、今度は直射日光が我々を突きさし暑い。
 10時過ぎに薬師岳頂上到着。ここで大休憩。頂上は若干狭かった。ここで、休憩。風が吹き、見晴らしが大変よく、和賀までの尾根道(縦走路みたいな感じ)や深く落ち込んだ谷、緑というか黒く濃い緑の森の眺望が心と体を和ませてくれた。朝日、飯豊の縦走路の山並みにも匹敵するすばらしい眺め。ただ、仙北平野が見えたことからちょっと興ざめしてしまった。見えなければより秘境的な深い山の中にのような感じがして、より全国的にも有名になるのではないかと思った。ただ、人里からこんなに近くにこのような素晴らしい山々が未だにあることに感動を覚えた。
 和賀岳に向かおうと出発すると、ちょっと強風が吹いてきた。遮るものがなく風が強いのだろう。ただ、行けないほどの強風ではない。昨年はここで人の頭くらいの石が飛ぶほどの強風(三浦さん談)のため引き返したとのことであった。
 尾根道は歩きやすく、道の脇は小笹で覆われていた。笹は緑ではなく茶色い状態であった。もしかしたらだれかが刈り取ったのだろうか?一瞬秋みたいな感じがした。高山植物がちらほら咲いている薬師平を経由し、小杉山を経由して暑い中和賀岳を目指し歩を進めた。和賀岳寸前ではチングルマが咲いており、想像以上の高山植物であった。
 暑い中13:15分、ようやく憧れの和賀岳へ登頂成功。頂上は広い。田沢湖、岩手山、駒ヶ岳、乳頭、鳥海山、焼石など360℃の大パノラマ。幾度となく我がAYHの登頂を拒み続けた和賀岳山頂で藤田リーダー持参の日の丸旗をかがけ記念撮影。ここで昼飯を食べ、他の登頂者と交流を深め、一路下山。帰りも暑かった。
 16時50分甘露水の登山口に到着。
 とてもとても長くとても暑く大変だったが登りごたえがあり、尾根も高山植物があり、眺望良と、素晴らしい山行であった。
 最後に夏場は水分を多く持参しなければならないことをあらためて実感した。

 稜線は夏の花盛り

 念願の和賀岳山頂


7月18日(日)森吉山・一般募集登山(晴れ)

参加者

一般参加 A金さん、N田さん、I垣さん、G藤さん、I本さん、M橋さん(計6人)

スタッフ 藤原、三浦、梅崎、黒木、橋本、藤田(計6人)

行程

秋田市役所(5:30集合)⇒ 旧森吉スキー場・コメツガ山荘駐車場(7:30着/7:58発)〜森吉神社避難小屋(10:00)〜石森〜阿仁避難小屋(10:30)〜稚児平〜森吉山頂(11:15/昼食/12:00)〜一の越〜コメツガ山荘駐車場(14:20)→森吉山荘(入浴)⇒秋田市役所(18:20着/解散)

メモ

 森吉山での一般募集登山は、15年ぶり。前回15年前の同コースでの登山では、大型バス1台をチャーターしての総勢約40人という大登山会であったが、今では一般募集登山の考え方を変えて、今回もこのとおりこぢんまりした感じで実施。応募が少なく、大丈夫かなあと思っていたものの、地元・北秋田市方面から若手多数の参加をいただいた。
 今回も人の輪が広がった会になりました。参加下さったみなさん。ありがとうございました。 

 出発前にコメツガ山荘前で一枚

 雲嶺峠を越えるとお花畑が待っていた

 今回の主役はニッコウキスゲ

 山頂はガスの中で展望は拝めなかったが

 今回も降りたところでガスはすっきり晴れました


8月7日(土)〜8日(日)鳥海山・湯ノ台コース(晴れ)

参加者

黒木、橋本、高橋(3名)

行程

1日目 キャンプ場に前泊

2日目 湯の台口発(6:40)〜瀧の小屋着(7:00)〜河原宿小屋着(8:10)〜伏拝岳(外輪山)着(10:40)〜鳥海山大物忌神社着(11:10/昼食/11:45)〜伏拝岳(外輪山)着(12:10)〜河原宿小屋着(13:40)滝の小屋着(14:30)〜湯ノ台口着(14:50)

メモ

 「鳥海山 湯ノ台コース 夏の荘内スペシャル2010」。大上段に銘打った今回の山行であったが、参加者はたったの3名だった。
 登山口である「湯ノ台」における午前6時40分時点の状況は次のとおり。
  気温:明らかに20℃以上
  風 :無風
  天候:快晴に近い晴れ
 このような中で長時間の山域での歩きはさすがに「堪える(こたえる)」と判断した参加者3名は、当初案ではなく「登山口−山頂直下・大物忌神社往復」に切り替えた。
 さて、今回の山行で特筆すべき事項としては、キャンプ時における防虫対策<ブヨ対策>の必要性を痛感したことであろう。とにかく参加者3名ともにやたらブヨに刺された。
 ただし、奴らにも特異な習性や弱点がある。例えば、暴れ回る時間帯が早朝と夕方に限定されること。さらに活動場所について見れば、水の汚れていない渓流沿いを好むとあってこれも限定的である。季節的も秋以降(10月頃か?)になるとほとんどいなくなると聞く。ちなみに天敵はトンボらしい。
 キャンプ山行はAYHの名物行事。来年度以降のキャンプ開催にあたっての参考とすべく、最後に次に掲げるような「ブヨ対策」を3名の参加者連名により提案するものである。
対策1 虫除けスプレー
 筆者の「虫さされ患部」を目の当たりにした関係者から「お前、虫除けスプレーしたのか?」と問いかけられた。「NO」と答えたら、即「アホか」とのコメント。「ブヨ対策の初歩 → 虫除けスプレー(当たり前か?)」。キャンプ参加各位は、虫除けスプレーを必携されたし。ただし使い方にもよるが、一部効果があまり発揮されないものもあるようなので注意。なお、一般の「蚊取り線香」は「まったく効果がない」ことが、今回のキャンプではっきりと証明されたところである。
対策2 タイムシフトでの対処
 ブヨの現れる朝夕における活動をとにかく避ける。例えば、キャンプ設営は午後4時頃までに完了。涼しくなりかけの夕方(午後5時頃か?)から辺りが暗くなる日没までは、夕食時間とせずブヨの現れない場所で待機。夜の帳(とばり)が下りてから、涼みながらの夕食とする。なお、朝食は日が完全に昇ってからとするか、車内で済ます。
対策3 とにかく肌を露出させない
 対策2が面倒と思われる方は、とにかく肌を露出させないこと。
対策4 キャンプサイト選定の配慮または開催時期の配慮
 いっそのことブヨの現れない場所「近くに渓流のない高地等」での開催にするのも有効な手段。あるいはまた、開催時期をずらして10月以降とするのもこれまた有効な手段かと思われる。


9月3日(金)〜5日(日)白馬岳〜唐松岳縦走

参加者

梅崎、橋本、板垣、岩倉、金塚、ゲストSさん(6名)

行程

9月3日(金)晴れ→小雨
8:00猿倉〜9:00白馬尻小屋〜11:30岩室跡〜13:20村営頂上山荘〜13:45白馬山荘着  16:00ころガスの中、山頂往復。

9月4日(土)快晴
6:20白馬山荘出発〜8:20白馬鑓ケ岳8:40〜9:00鑓温泉分岐〜9:25天狗山荘〜10:00天狗の頭〜11:40天狗の大下り〜12:30一峰頭〜13:25二峰頭〜14:00二峰北峰〜14:20二峰南峰〜15:10唐松岳山頂15:25〜15:40唐松岳頂上山荘着

9月5日(日)快晴
7:00唐松岳頂上山荘出発〜7:30丸山ケルン〜8:35八方池〜9:20八方ケルン〜10:00八方池山荘〜クワッド〜ゴンドラ〜10:30駐車場着

メモ

 出発当日、午後から急に体調不良に陥った。激しい頭痛と吐き気・・ 楽しみにしていたのに、このままじゃ登れないかも。人生こんなものか・・と更衣室で横になる。そして諦めかける。いや、ここで諦めるわけにはいかない。とりあえず、登山口まで行ってそこでダメなら諦めよう! 近くの民宿に2泊して、みんなが下山するのを待っていればいい。そう思って出発した。Sさんの車の後ろで横になったまま出発。これが、北アルプスの山旅のスタートとなった。

 1日目 猿倉登山口 猿倉荘 白馬尻小屋 大雪渓 白馬岳頂上宿舎 白馬山荘泊
 駐車場に車を止めて猿倉荘を8時にスタート。しばらくは車道がつづく。30分ほどで車道が終わり、そこから本格的な登山となる。
 9時、白馬尻小屋到着。これから登る大雪渓を眺めながら休憩。私達の他に10人ほど小休止をとっている。この中の、どのパーティーが先に歩きだすのだろう。ここにいる人達みんな仲間なような、敵のような不思議な感じ。
 いよいよ雪渓歩き開始。はじめは順調に歩いていたものの、天気が崩れ始める。さっきまで晴れていたのにガスに覆われ、雨が降ってきた。カッパを着て再び歩き始める。思ったよりも長い雪渓歩き。 「読書」が論理的思考を養うというのなら、「登山」は何を養えるのだろうかなどとどうでもいい事を考えながら一歩一歩慎重に足をすすめる。
 10時45分、雪渓が終わり秋道を歩き始めた。そこにはお花が咲いていて、私達を待っていてくれたようだ。岩室跡11時30分通過。歩き始めてもう3時間半も過ぎている。途中、食料を食べながら13時20分白馬岳頂上宿舎に着いた。
 相変わらずガス、冷たい雨。とりあえず みんなで記念撮影をパチリ。ここまでくれば白馬山荘まではあと少しだ!! 再び歩き始める。13時45分 突如、白馬山荘現る!!! 視界が悪かったので、目の前に山荘があることに気付かなかったのだ。ここはどこ。長野県?富山県?う〜ん、どっちでもいい。私、いま北アルプスを歩いているのね。
 憧れの山小屋ライフ。あ〜夢にまでみた初山小屋泊まり。嬉しさがこみあげる。夕食はとんかつ。うん、美味しい。夕食後、みんな寝ているのでひとり談話室へ。群馬からきたという3人と話が盛り上がる。秋田の山?秋田駒、八幡平?まるで山のすべてを知っているように自慢げに話す。(そんなに知らないくせに) これが、山小屋マジックなのね☆


 延々と続く大雪渓。先は長い。

 ピースサインでまだまだ余裕の二人

 本日の宿舎・白馬山荘に到着

 会の名称変遷を物語る会旗を掲げて記念撮影


 2日目 白馬山荘 白馬鑓 不帰キレット 唐松岳 唐松山荘泊
 5時に起きて、急いで外へ。昨日の天気がうそのように空がさわやかだ。ご来光をみるために歩き出す。顔がむくんで一重だって気にしない。またも、憧れの山小屋ライフだ〜とひとり(心の中で)盛り上がりサンダルで駆け上がる。初めてみるご来光に感動。あわせて、岩倉さんのまっすぐな髪にほれぼれ。
 朝食をすませて6時20分、山荘スタート。ロングトレイルを考え杓子岳ピークはスルー。
 鑓ケ岳ピーク8時20分着。遊歩山岳会の大きな旗を広げて記念撮影。オレンジ色の大きな旗がまぶしい。
 9時、鑓温泉と天狗山荘への分岐到着。ここで休憩。キレット行っちゃう?それにしても、金塚さんと源氏パイとっても似合ってる。風も弱まり、天気もいいことから(白馬鑓温泉へは下山せず)唐松岳を目指し再び歩き始める。
 天狗山荘を過ぎて1時間半を過ぎたあたりで 「天狗の大下り」に突入。鎖が下がり、どこに足をおろしたらいいのか悩みながらゆっくりと下り始める。約300メートルのガレ場を一気にくだる。怖い・・・足の置き場に困っていると、橋本さんがリードしてくれて嬉しいっ。梅崎さんはスタスタくだる。さすがリーダー、尊敬します!
 やっとの思いで「天狗の大下り」を下りきると、ついに ついに ついに やってきた。ここが不帰キレットかぁ。なぜか、ここで 箱根の山は天下の嶮 のメロディーが浮かぶ。でも、軽やかに歌えない。全部半音下がっている。ん、どこかで聞いたことある。ボヘミアの川よモルダウよ〜のメロディーになっている。もう一度歌ってみる。天下の嶮! やっぱり 「モルダウよ〜」の音階だ。青く潤し、さすがキレットだ。感心している場合ではない、ここを越えなければ唐松山荘には行けないのだ。
 一峰 無事に通過。二峰 無事に通過。なんだ難ルートといっても大したことないな。甘かった。二峰が終わったと思っていたら、ここは二峰北峰。二峰南峰が待っていたのだ!ここがいちばん怖い。先月事故で亡くなったのは29歳だったか。私と同じくらいだ。鎖を持つ手が震えて〜る。怖々なんとか通過。とそこに、後ろから貞子が現れた。おっと、貞子ではなく、遅れをとっていたSさんだった。Sさんはザックがじゃまして「くぴた」が曲げられないと、貞子のように登場したのだった。キレットでSさんを励ましてくれた知らないおじさん、ありがとう。
 こうして無事にキレットを通過して 15時40分 唐松岳頂上山荘到着。ビールとジャガリコで乾ぱ〜い。ジャガリコ かなり いける。これからの山の定番!?夕食はハンバーグ。(バイト君が真空パックから紙皿にうつす姿は想像しないようにする。)山でハンバーグなんてすごーい。夜は流れ星を探す。どこかの誰かが 金!と3回叫んでいた。

 白馬鑓山頂。本日は快晴。

 白馬岳〜白馬鑓と続くピーカンの道

 不帰嶮の岩場は高度感十分

 ほっと一息ビールでなごむ

 3日目 唐松山荘 八方池 八方尾根
 今日はゆっくり下山するだけだ。前日注文したパンは焼き立てではなかったが、ご主人は焼き立てのように扱う。
 7時 唐松山荘スタート。八方池では、水面に映った白馬三山をみて感動。自分達がいままで歩いてきた山を見て、改めて感動。「人ってすごい」なんて考えてしまう。さ、ゴールまであと少し。再び歩き始める。とつぜん話しかけられる。「ゆみちゃん」 え、誰だろう?秋田市の知り合いと会う。ここで会うとは〜 驚いた。
 下山後、白馬八方温泉で汗を流し、お蕎麦を食べて帰路についた。
 山岳銘菓「白馬クランチ」にかけられたホワイトチョコが雪に見えるのは私だけ? 雷鳥紀行「たまごまんじゅう」がやたらと美味しく感じるのは私だけ? まだ白馬の魔法がとけていないようだ。

 八方尾根を下る

 腹ごしらえの後は帰路の長いドライブが待っている

まとめ 
 本格的な北アルプスの登山としては初めてとなった今回の山行。最初はどうなることかと思いましたが、いつのまにか体調も回復し、無事に2泊3日で歩くことができました。アルプスの山々は、いままで私が山歩きで感じてきたもの以上の感動を与えてくれました。山のスケールの大きさ、どっぷり山に包まれているような感覚は初めてで歩いていてとにかく幸せいっぱいでした(*^_^*) また来年も行きたいです。一緒に歩いた5人の仲間、ありがとうございました。(板垣レポート)

OB金塚氏の寄稿

元秋田県民・現静岡在住の金塚です。山行どうもお疲れ様でした。
不帰嶮はドキドキでしたが、無事通過したときの安堵感、そして好天に恵まれた周囲の絶景により、唐松岳山頂では感無量の心地になっていました。
実は1996年8月(今となっては大昔?)にも唐松岳に行っているのですが、実家で色々とモノを整理したら当時の写真が出てきました。下は唐松岳頂上山荘の画像でありまして、左が1996年当時、右は今回2010年撮影のもの。画像奥の建物(新南館)の有無が大きな違いです。建物自体もちょっと屋根の形に変化があったり…。

 


10月2日(土)〜3日(日)太平山(馬場目岳分岐〜奥岳縦走)

参加者

旭又往復組:黒木(1名)
縦走日帰組:板垣、梅崎、進藤、三浦、Uさん(5名)
縦走宿泊組:小森、高橋、橋本、長谷部、藤田(5名)

行程

旭又往復組
 旭又キャンプ場出発(8:05)→御滝神社(8:30)→御手洗(9:30)→奥岳(10:30/10:50)→御手洗(11:25)→御滝神社(12:05)→旭又キャンプ場到着(12:20)
縦走組(日帰り組は、旭又キャンプ場分岐もしくは奥岳まで同行)
 <1日目>
 市内某所集合(6:30/買い出し/7:00)→旭又キャンプ場登山口(7:50/8:15)→馬場目岳分岐(10:25/10:40)→ガラ沢岳(13:00/昼食/13:30)→旭又キャンプ場分岐(13:50)→笹森(14:15)→奥岳山頂(15:35)→宴会(17:00)→就寝(19:30)
*赤倉岳下山組(板垣、梅崎、進藤)は、15:20に旭又キャンプ場着
*奥岳下山組(三浦、Uさん)は18時過ぎに旭又キャンプ場着
 <2日目>
 起床(5:45/朝食/7:00)→野田口分岐(7:40)→旭又キャンプ場着(9:25)→ザブーンにて入浴→解散(11:30)

メモ

 当日は晴天。単独行の黒木さんは、一同が揃う前に一人旭又コースへ向かってしまった。私達泊まり組みの食料を背負って。感謝です!馬場目岳までの急登でみんな汗だくになる。秋とは思えない暑さ。一部、背丈より高い草を掻き分けて進む。馬場目岳分岐までずいぶん時間がかかってしまった。この先は未知の領域であり、日帰り組もまっすぐ赤倉岳へ向かうことにした。分岐からわずかに進んだだけで、獣道である。藤田さんの卓越した読図により、私達は登山道と思えない道を正確に進む。土手のような急坂を登りやっと稜線に出たものの、木々が生い茂って展望悪い・・・。山の奥深さはしっかり味わえるけど。赤倉岳を目指すが、期待してピークに立つものの、それらしき標柱も展望もない。その後は、何度ピークを登って越えたか分からないほど繰り返す。この間、すたすたと我々を越して行った単独行のおじさんのみで、他の登山者とは顔を合わせることはなかった。
 やっとわずかに開けたところに出た。そして、標柱には「ガラ沢岳(赤倉岳)」と。さらに、マジックで「本当の赤倉岳はこっちです→」との文字が。どうやら赤倉岳は通り過ぎたらしい・・・。とりあえず、やっとお昼ご飯を食べて活気が蘇る。
 まもなく、多少道がよくなり、旭又キャンプ場へのエスケープルート分岐に辿り着く。ここで日帰り組の梅崎さん、進藤さん、板垣さんと涙のお別れ。
笹森、そして最後の旭岳をやっとの思いで登ると、やっと目の前に立派な山頂小屋が見えた!辺り一帯は紅葉しており、長旅の疲れが癒された。そして、奥岳山頂からはいい眺めだった。夕焼けもきれい。ここで、三浦さんとUさんが下山。暗くなってからは秋田市の夜景と星空がきれいだった。ただ、寒すぎて長居できなかったのが残念。まだ木の香りがするきれいな小屋の中で、すき焼きパーティーが始まる。お客さんは、私達とお年を召した男性2人組のみ。広々と寝床を広げて19時半過ぎには就寝。
 夜明け前から風の音が強かった。火の気がないのに、小屋は快適で寝ていても暖かかった。雲が多かったが、朝日が見られた。昨夜の残りのおでんをおかずに食べた後、強風の中を出発。どきどきしながら弟子還の鎖場を下りると、あとは気持ちのよい林道が続く。ザブーンにてさっぱりして解散。
 今回は私自身が経験のないルートだったので、皆さんにはいろいろご不便をおかけしました。特に、先頭に立ってくれた藤田さんには感謝です。私自身は、奥深い太平山の姿を知ることができて満足でした。ただし、今後は「やぶマニア」と思われないように、やぶこぎのない山を選ぼうと思います。(小森レポート)

 ようやく着いた赤倉岳山頂。奥岳まではもう一がんばり。

 新築なった社殿の前で。奥岳までの縦走を果たした面々

 戦い済んでもうすぐ日が暮れる


10月6日(水)〜7日(木)大朝日岳

参加者

小寺鉱泉コース 藤田、橋本、長谷部、梅崎  朝日鉱泉コース(鳥原山経由)板垣、Sさん

行程

1日目 8:20古寺鉱泉P〜10:10一服清水〜10:30ハナヌキ峰分岐〜11:10三沢清水〜11:50古寺山〜ガスのため小朝日岳は巻く〜銀玉水【板垣さんたちと合流】〜15:00大朝日小屋
2日目 早朝、大朝日岳往復・朝食後、金玉水往復〜8:05大朝日小屋出発〜8:20大朝日岳山頂〜11:00長命水〜14:30朝日鉱泉着→→15:00古寺鉱泉→大井沢温泉入浴→18:00酒田海鮮問屋〜20:30秋田市

メモ

 感想を書いたら長〜くなったので、長い感想は後ほど会報で。とりあえずダイジェスト版です。
 1年ぶりの小屋泊まり。荷物が重い。天気予報は二日間とも晴れの予報。けれども、1日目は途中から小雨が降り、合羽を着用。小寺鉱泉から歩いて5時間半、銀玉水で朝日鉱泉から登ってきていた板垣組に追いつき合流。一緒に山頂小屋へ向かう。小朝日岳あたりから紅葉がすばらしい。
 小屋には午後3時に到着。我々の他に3人組パーティーと単独の男性が2人。本日の2階への泊まり登山客はこれで全部であった。他には、トイレの改修工事中だったので業者さんが寝泊りしていた。
 相変わらずガスが晴れないので、山頂往復はやめて夕食(きりたんぽ)の支度に取り掛かる。夜は7時ころまで電気がついていた。業者さんと管理人さんの宴会が9時ころまで階下で続いていた。
 翌日4時半に起床し、頂上往復&ご来光拝みへ。残念ながらお日様は雲の中で、ご来光は拝めなかった。山頂は360度の展望。まるでアルプスのように深くて広い。小屋に戻り朝食。餅入りラーメン&うどん。朝食後は、片道10分の金玉水まで水汲み往復。
 下山は全員、朝日鉱泉の中ツル尾根コースを行く。紅葉がきれい。はるかかなたに朝日鉱泉が見える。遠い。ひたすら下る。水場と書かれていた「長命水」は、登山道脇の道なき道を苦労して行った割には豊富な水量ではなかった。下界が近づくにつれ、沢が大きくなってきた。朝日の沢は深くて、水の透明度がすごかった。午後2時半、無事に朝日鉱泉に到着。ガイドブックによると、中ツル尾根コースは“一応”最短で日帰りする人もいるらしい…が、日帰りはすごく大変だと思いマス。
 温泉に入って、酒田の海鮮問屋で夕食、象潟の道の駅で解散、無事帰秋。
 ド平日に6名も集まり楽しく過ごせた。どうせ平日に行くなら…と行き先を大朝日岳に変更してもらった。念願の朝日。みなさんありがとうございました。次回は飯豊ね。(梅崎レポート)

 両隊がめでたく合流

 無事に大朝日小屋に到着。疲労のせいか隊員約1名の目つきが怪しい

 快適な小屋でまったりと過ごせました

 長い長い中ツル尾根コースの下り

 やっと着いた朝日鉱泉ナチュラリストの家


10月16日(土)甑山(くもりのち雨のち晴れ)

参加者

藤原、梅崎、三浦、小森、中田、長谷部、板垣(計7名)

行程

秋田市役所(5:30)→登山口(7:40 / 8:05)〜男甑山頂(10:40/11:10)〜登山口(12:40)→鳥海荘で入浴→秋田市役所(17時頃)

メモ

 今回の甑山の山行は、私のこれからの登山生活の忘れられない山行となりそうです。他のメンバーの様子なんて全然見る余裕はなかったので、全くの私目線の感想文になりますがご勘弁を。
 超ビギナーの私には、登山口から驚きでした。「駐車場は?」「登山口にトイレは?」・・・と最初から不安になりました。
 でも、天候はイマイチながら、せっかく揃えたのに日の目を見なかったスパッツを装着して・・・いえ、装着してもらって(長谷部君ありがとう)ウキウキ歩き出しました。
 途中、生まれて初めて自分でキノコを採りました。この辺まではとっても楽しかったです。名勝沼も箱庭のような美しさでした。が、そこからは大変でした。
 水が少ないながらも沢を登って、道なき道を歩き、私には「ここで滑ると終わりだ・・・家には可愛い子どもたちが(涙)」と思うような険しさでした。
 あまりにしんどくて、企画した藤田さんを恨みながら歩きました。「あぁ、私の短い登山人生は今日で終わりだ。もう山に来ることはないんだな」と、せっかく大枚はたいて買った装備も無駄になるな・・・などと考えながら歩きました。男甑を目前に「ここで待ってます」と言ったものの、板垣さんの「もう少しですよ。一緒に行きましょうよ〜」の声に励まされ、後ろから来る長谷部君に何度もザックを押してもらい、なんとか山頂に着くことができました。山頂に辿り着いたときは、達成感なのか喜びなのかは分かりませんが、大声で叫んでしまいました。 山頂で食べた念願のカップラーメンとっても美味しかったです。
 下山は、登りに比べてあっという間でした。 
 途中、風が木の葉を揺らす音に立ち止まりました。そこいらじゅうの木の葉がいっせいに「ザザザザ・・・・」と。山に包まれたような不思議な感覚に心地よいような・・気が遠くなるような・・とにかく感動しました。 ずっと山登り続けるんだろうなとそのとき思いました(ホントかな・・)
 帰りの温泉も、道の駅での買い物も、とっても楽しかったです。
 苦しくも思い出深い山行になりました。根性なしの私を励まして一緒に登ってくれた6人のメンバー、企画してくれた藤田さんに心から感謝しています。(中田レポート)

 日本庭園のような名勝沼。紅葉のピークにはちょっと早かった感じ。

 女甑と名勝沼。空模様は今ひとつだったが、男甑の登りで振り返るとこんな絶景が拝めた。

 ようやっと男甑にたどり着いた

 霧にかすむ男甑のシンボル。烏帽子岩。

 山頂のすぐ足下は断崖。胃袋が縮み上がる。

 県境尾根の下りは、急だけどこんな気持ちのいいブナ林が続く。


11月7日(日)女神山〜兎平分岐(くもりのち雨のちくもり)

参加者

梅崎、三浦、黒木、橋本、小森、藤田、荒金、中田、長谷部、板垣、ゲスト後藤(計11名)

行程

6:00秋田市出発〜7:30湯田IC〜8:15登山開始〜8:30女神山・降る滝分岐〜9:40女神山山頂10:00〜11:20兎平分岐(昼)12:00〜【雨】〜13:10女神山〜13:25県境コース分岐〜降る滝、岩清水、女神霊泉〜15:20女神山・降る滝分岐〜15:30白糸の滝分岐―白糸の滝―15:45白糸の滝分岐〜16:00登山口着〜ふれあいゆう星館入浴〜19:00秋田市着

メモ

1 はじめに
 行き先をギリギリまで公表しない「ミステリー山行」。企画立案者である梅崎さんから正式発表された行き先、それは「女神山」(岩手県湯田町・沢内村・秋田県千畑町/955.8メートル)であった。さらにそこから足を延ばして真昼岳方面に進み「兎平」まで。実に興味深い山行コースである。
 ここのところ単独行が続いていた筆者にとっては久々のツアー参加。しかも今回の参加者計11名の内4名が女性会員である。

2 登山開始/兎平分岐まで
 女神山の登山口の推定気温は5度。無風。天候曇り。今にも泣き出しそうな空。だが、歩くと汗がダラダラ吹き出る。う〜暑い。なぜだ。先週(10/30)の単独行に理由がある。吹雪の秋田駒<男岳>登攀の際に詰め込んだ防寒対策のアノラックがザックに詰め込まれたままだった。だから重い。暑い。
 登り初めてすぐに勾配がきつくなる。あれっペース早いなあと感じる。というよりも自分が遅い。無理もない。これまでの単独行は勝手気まま。まるで「能楽師の能舞台での所作」のように「ゆっくり・のっそり」と登っていたのだから。バテても誰も助けてくれない単独行。バテずに登り切ることを最優先にしての登攀法が自然に身に付いていたようだ。(←いい意味での解釈?)
 急斜面からやがて緩斜面へ。登山道は紅葉の木々に囲まれた空間を心地よく貫いている。この辺りの紅葉がとても美しい。時折、女性会員の甲高い歓声が響く。非常にキーの高い声だ。この歓声を耳にする「熊」は人間の存在を意識し、恐ろしがって逆に近寄れないだろう。「熊鈴不要の<めがみ>の歓声?」などと一人で笑っているといつしか登山道は頂上へと続く最後の急坂となっていた。
 まもなく頂上に到着。休憩もそこそこに頂上を越えて北の方角に進む。下り坂だ。すると突然風景が一変。頑強な「真昼岳」へと連なる峰々が現れた。さらに歩を進めると徐々に辺りがアルペン的な様相を呈しはじめる。さすがにここまでくると稜線を吹き抜ける風が冷たい。そのまま進むと真昼岳と兎平の分岐に到着。右に曲がると兎平に行き着くようであるが、笹藪に囲まれ風を凌げるこの分岐点をもって昼食会場とした。

3 昼食から下山、登山口まで
 楽しい昼食タイムのはずが雨。本降りになる前に早めに昼食を切り上げ会場を撤収。我々パーティは、ここの分岐地点を折り返し地点として引き返すこととした。(結局、「兎平」を断念。次回へのお楽しみとする。)
 稜線を今度は女神山方面(南方)に進む。先に見える最も高いピークが先ほど登頂した女神山。雨はますます激しくなる。全員合羽を着込む。合羽装着により全身が「赤くなった方」と「黄緑色になった方」が計2名現れた。それを見ていた橋本副会長。「ムックとガチャピンだ」と言って参加者全員の笑い買っていた。(注)あくまでも色的にということであって、体型が・・・いうことではありません。誤解のないように。
 女神山山頂を越え、登山口へ向けて下り始めた頃に雨がやんだ。ここは岩手県側。どうやら雨は秋田県側を中心に降っていたようだ。足下を見る。登りのときは気づかなかった短冊がある。木々の枝あるいは根元近辺に可愛らしくかけられている。よく見てみると俳句がしたためられているようだ。おそらく地元の小学生の作品であろう。それを立ち止まっては、詠みながら下っていると、突如として「詩心」があふれでてきた。間髪入れずここで一句。
(女神山8合目にて/よみ人・くろき)  めがみやま ガチャピン・ムックが げざんする  〜小学校低学年むけ〜
(趣意) 数ヶ月前まで山を覆っていた新緑を思い起こさせる「ガチャピン色」と楓(かえで)よりもさらに赤い「ムック色」が木々の紅葉に色鮮やかに映え、何と美しい色合いを醸し出していることか。

 ちなみに、「AYH文学部?」における今年度の優秀作品(平成22年11月現在)を紹介しよう。
(佳作) 赤水や ふ○○飛び込む 水の音
(趣意) 静寂感漂う「森吉・赤水渓谷」に「ふ○○」が飛び込む水の音で、より一層静寂さが増していき、心が澄み切っていくようだ。
(業務連絡/ふ○○さんへ) 今年度の赤水渓谷山行のレポがないのが残念です。

 以上のような句を詠みながらさらに下山を続けた。途中、「降る滝」「白糸の滝」を経由。全員無事に登山口に無事戻ったときは、辺りがうっすらと暗くなっていた。晩秋の山行であったことをしみじみと感じる。

4 総括
 今回は、11名という最近では珍しい大所帯のパーティ編成となり、歓声にあふれる楽しい山行になったように思う。当会のモットーであるアットホームでわきあいあいとした感じが随所に溢れ出ていて、まさに当会らしい山行を味わうことができたような気がする。あらためてこのたびの山行を企画した梅崎さんに感謝の意を表したいと思う。
 もし仮に青空を望むような天候であったならば、さらにすばらしい山行になっていたであろう。紅葉した木々から漏れてくる薄い日の光を浴びる登山道は、晩秋ならではの独特の静寂とほのかな暖かみがある。この季節ならではの山行というものがやはり存在する。来年度の山行計画の立案にあたっては、このような点も踏まえ十分に検討していただければと考える。
 最後に、来るべき忘年会において、昨年度に引き続き今年度も「(仮称)ベスト山行セレクション」が開かれるとのことである。当山行もベスト山行候補として十分ノミネート可能であると思われるので、当該レポートを推薦状に代えて、拙文を閉じることとしたい。(黒木レポート)

 雲海にけむる下界

 女神山山頂に到着。曇ってはいるが天気はまだ大丈夫。

 真昼・兎平分岐で昼食タイム。このあとまもなく雨が降ってくる。

 白糸の滝はこんな感じ。美しい。

 美しいブナ二次林の中を下山する


1月8日(土)太平山前岳(金山滝コース)

参加者

梅崎・藤原・三浦・橋本・小森・ゲストSさん

行程

8:50金山滝コース入口出発〜11:40女人堂(休憩)12:05〜13:45下山 山の五代で遅めの昼食→解散

メモ

 今年初めての山行。久しぶりに冬山山行参加。
 降雪により山行の実施も危ぶまれたが、前々日には、幹事の強い意気込みで実施決定された山行。前日の夜は吹雪で、本当に登るのか?っと不安の中携帯を握りしめて過ごす。
 当日、予報では曇りのち雪。朝、家を出る時は一部青空があったが、集合場所は吹雪の中。やめようか?と言う声もあったが、行けるとこまで行こうと決行。
 金山滝の登口到着。雪は膝下10センチくらいか。想定どおり。我々より前に入った方がいて道ができていて・・・という安易な目論見はものの見事に外れ、足跡はなし。一抹の不安がよぎる。ここまできたので登山開始。
 最初のうちは雪も軽く、前日までの道がうっすらあり、順調にすすんだ。
 天気は曇天で、気温も低く雪が溶けず歩きやすい。歩いていると体から汗が噴き出るが止まるとすぐに寒くなる。体温調整が難しい。先頭を変えながら進んでいったが、私が先頭になったとたん積雪が多くなっていき、最終的には腰のあたりまで積もっていた。ここでの体力消耗がボディーブローのように後できいてくる。道もわからない状態になり、一時停止。スノーシューを持参した会長、Sさんが先頭となる。スノーシューで道をつけ、身軽の3人が足跡をつけ、最後に私がズボッと雪にはまる。はまる、這い上がる、踏み出す、はまる・・・これを繰り返していたら、一人残されてしまった。
 山は真っ白い世界でキンッとした冷たさと清々しさにつつまれ、木々についた雪がなんともいえない雰囲気で、時々雪交じりの強風が吹いたが、「THIS IS 冬山(入門編)」一年の始まりにふさわしい清々しさを味わえた。
 みんなの残してくれた道を、はまる、這い上がる、踏み出す、はまる・・・を繰り返しながら必死に、時々遠くからの確認の声に励まされながら、後ろからくるおじさんにも励まされながら、最後の坂は這いずりながら、前岳に登頂に成功。
 頂上には我が隊のほか1名いた。景色をみる余裕などがなく、とりあえず、熱い紅茶とシュークリームで疲れた体と冷えた指先を癒した。
 帰りは、気温が若干上がったことや数名の方々が登ってきたことから踏み固まった道ができたので結構楽であったが、私の両足がつったり、ゲーターの一部が壊れるなどアクシデントがたびたび発生したため時間がかかってしまった。なんとか、無事に登山口に到着。
 一緒に参加した方々には、時間がかかってしまい大変ご迷惑をおかけしました。スノーシューはともかく、ストックはもっていけば良かった。
 体力の衰えは金で買うのが一番っ手っ取り早い?が、日々の精進に一層努めようと思った山行でした。
 太平山、夏とはまた違う風景、趣があり、身近にこのようなすばらしい山がある我々は幸せである。今年あと数回チャレンジしたい。(橋本レポート)

 歩き始めは膝下だった雪もそろそろ腰レベルになってきた

 先頭を引き受けラッセルに挑むH氏。このあと雪にはまり続けることになる。

 

 ときおり日が差し込む。けっこういい天気。

 女人堂でお約束の集合写真

 帰りの尾根道から振り返る女人堂・前岳方面。一部青空も見える。

 最後の橋。こんなところではやはりストックがほしい。



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