1998年度(平成10年度)山行記録


4月19日(日)太平山・旭又コース

参加者

富行、一枝、船木、Cコージ、畑山、阿部、安河内、Eさん、Fさん(9名)

行程

旭又登山口(8:00)〜御滝神社(8:30)〜御手洗(10:00)〜奥岳(11:20/12:50)〜御手洗(13:35)〜旭又登山口(15:00)

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 本年度第1回目定例登山とのこと。名簿をみせていただき「わー凄い人数」と思っていたら。なんと会員7名他2名という手頃なパーティーでの山行。
 昨年の4月26日に夫と同コースで登り、「イワウチワ」の美しさに感激していたのでとても楽しみでした。自然は決して裏切らず、可憐なピンクの花が一面に咲き誇っていました。太平山の花「ヒメシャガ」は、6cmほどでした。この時期まだまだ寒いと思っていたのですが、この日は陽射しもあり、伊藤さんは半袖Tシャツになっていました。(私も馬の背以降、汗タラタラで化粧も剥げ、日焼け止めクリームを慌てて塗る。)
 御手洗では、あの愛らしいお地蔵様が雪に囲まれちょこんとたたずんでいました。思わず合掌。だいたい1m程の残雪のため、そこからは夏道ではなく直登。今冬は雪が多かったのか、かなり大きな枝が落ちており、歩きにくい箇所多し、黙々と登り黙々と登りふと振り向くと「ふぁー雲海。こんな低い山でも雲海見れるなんてラッキー。」等々皆感激している。そして主稜線秋田駒は見えなかったけれど、森吉山のなだらかな勇姿が望まれた。
 山頂の神社では、1年後また元気に登ってこれたこと家族の健康、楽しい山行等々、10円玉でいっぱいお願いした。ハハハ…。昼食もビール何缶かで盛り上がり、登山者ノートにも一筆啓上。下山も自然観察員の自然観察員の越前さんの色んな説明、楽しい俗説等ききながら楽しく下る。(実は2か月ぶりの登山で下りの御手洗以降、足膝裏が痛くなってきた。)。秋田温泉にて疲れをいやし解散。(安河内)


4月29日(日)鳥海山・祓川コース

参加者

一枝、幸二、藤原、安河内、Cコージ、畑山、阿部(7名)

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 山頂を目指さないでお手軽に残雪の鳥海山を楽しもうと、Cコージさんの発案で実現した今回の山行。天気も雨模様で思わしくなく、七ツ釜の小屋を一応の目標にして目標にして登山開始した。
 今年の鳥海は異常に雪が少ないというのは皆さんご存じのことと思うが、例年ならばあるはずの雪の回廊がなく、祓川ヒュッテ周りの雪も皆無。竜ヶ原湿原も半分以上が顔を出しており、真っ白であるはずの山も白黒のまだらが半々といった状態で、6月中旬のそれと同じ位という有様だった。ヒュッテまでの道脇にはマンサクやショウジョウバカマも咲いている。
 もう雪がなくなってしまう! 今回は誰もスキーを持ってきていなかったが、スキーができるのもあと1〜2週間までかと残念な気持ちになる。
 というわけで、異常な状況に一同ショックを受けながらも、小雨の降る中カッパをはおり、ヒュッテ前の木道から歩き始めた。浅吉小屋前の雪の壁を登り、ブッシュを避けながら雪のあるところへと左側に巻いていく。下を見下ろすと駐車場が見える。「もうこんなに来たんだ」と畑山さんが感動の声。
 他の登山者はそのまま鶯川沿いの沢ルートをとっているようであったが、我々は夏道ルートをとることとし、若干のブッシュを抜けて賽の河原へと出た。 御田の少し下まで来たところ、上を見上げると我々のすぐ上には真っ黒な雲。七ツ釜の小屋は黒い雲の彼方で、そこまで行けばどんなに悲惨な目に遭うことやら… ということで、一同、リーダーのCコージさんに目で訴え、下山が決まる。行動開始して約1時間後のことであった。
 下りるとなればあとはあっという間で、祓川ヒュッテにて昼食タイム。畑山さんの手によるキノコ汁をいただき、ゆっくりしたのち温泉タイム(フォレスタ鳥海にて)と、おきまりのコースで帰途についた。
 フォレスタ鳥海の露天風呂からは、今登ってきたばかりの鳥海山が真正面に見える。来年はいつもの姿の鳥海山に戻ってほしいと、山に向かい祈った。(藤原)


5月4日(日)鳥海山・祓川コース

参加者

藤原、高橋(たった2名)

行程

祓川駐車場(9:00)〜1455m(10:00)〜1960m(11:50/昼食/12:20)〜七高山(13:15/13:35)〜祓川駐車場(14:40)

報告

 今回のコースタイムには地名がない。なにしろ今年は極端に雪が少ないため、スキー部隊がとるべき進路は鶯川の沢沿いの雪渓しかなかったからだ。そういう訳で、今回の記録は藤原さんのGPSを利用させていただいた。
 雪が少ないとはいえ、ゴールデンウィークの鳥海山は、やはり例年どおり、県外のスキー客で大変な賑わい。なかにはガイジンさんもいて、鳥海も国際化が進んでるなぁなど妙な感心をしながら、登り始めた。(以下、黙々と登り続けただけなので省略。)
 七高山の頂上は雪が消えており、頂上直下でスキーをはずして頂上に辿り着き、一服してからいよいよ滑り始めることにした。しかし、よーく考えてみたら、今年の冬はバタバタしてたので、これが初滑り。しかも、春先の舎利坂で慣れないテレマーク。これ以上ないという悪条件に、「あぁ、オレって冒険家。」なんて自分に酔いながら滑り出すも… (もう思い出したくもない)
 藤原さんは、雪の状態が悪くて豪快に滑れないのがもどかしかったのか、転倒の勢いを利用(?)して、すり鉢状の沢へヘッドスライディングで飛び込んでいった。一瞬、やばいと思ったが、教科書どおり頭を山側に向けて止まったので、思わず感心する。さすがは会長、技術の高さを見せつけてくれる。
 スキーの場合、登りに比べて下りはあっという間なので、いつも悲しくなるのだが、今回はやっとの思いで駐車場に辿り着いた。おまけに自分の計画書で「日焼け止め必携先行!」などと名付けておきながら、つい無精したため、その後しばらく汚い顔をして歩くことになってしまった。散々だった…(高橋)


6月7日(日)森吉山

参加者

一枝、富行、藤原、阿部、安河内、畑山 その他5名(11名)

行程

市役所(6:00)→コメツガ山荘(8:20/8:45)〜一の腰(10:10/10:20)〜森吉神社(10:50)〜避難小屋(11:15)〜山人平(12:25/13:30)〜森吉山頂(14:00/14:15)〜避難小屋(14:40)〜勘助道〜コメツガ山荘(16:30)

報告

 入梅宣言も聞かれるようになったにもかかわらず、お天気に恵まれた今回の山行の見どころは、何と言ってもたくさんの花であった。
 スキー場のあたりは、舞鶴草に野苺、宝鐸草、一の腰からは白根葵に雛桜、岩鏡、稚児車、延齢草、日光黄菅、妻取草、燕万年青などが見られた。特に、山人平では、稚児車と岩鏡による白とピンクの配色は、かき氷のイチゴミルクを思わせられた。
 初めは、5、6人の山行と聞いていたが、当日になると11人の大人数による山行となった。幅の狭い尾根では、長い列になって歩く。
 前のほうから「この花、なんて花ー。」と聞かれ「ツバメオモトー。」と後ろが答えると、前に行くまでに「スズメオモトだって。」と、ツバメはスズメになり、「ツマトリソウ」は「オニトリソウ」(人によっては、妻=鬼と連想する人もいたのだろう)になり、ザゼンソウは大きくなったらミズバショウになる、などの新しい説もとびかっていた。
 昼食は我が会の定番、豚汁。材料を準備したのは私、畑山だが、「コンニャクが入っていない!」との鋭いつっこみにあい、タジタジになってしまった。コンニャクは必須材料なのであった。
 今年はジャンボリーがあるせいか、避難小屋も真新しく、泊まりもいいなあ、と思わせる山だった。
 森吉山に行く途中、ダム建設のため、水に埋まってしまう山に、赤い印が付けられているのが妙に痛々しかった。(畑山)


6月21日(日)月山

参加者

 一枝、富行、阿部、安河内、古川、伊藤 他4名(9名)

行程

市役所(5:20)→八合目(9:00/9:15)〜仏生池(10:45)〜じょうじゃ返し(11:45)〜月山山頂(12:20)〜仏生池(15:00)〜八合目(16:25)→市役所(22:00)

報告

 朝5時20分秋田を出発。残念ながら曇り空である。ところが車で月山八合目に近づくにつれ視界が良くなるではないか。下界は曇り空で山の上は晴れというラッキーな登山日和だったのである。私は、月山の神に感謝した。
 登山開始。整備された道を沼と花を見ながら登る。遠くに、鳥海が雲の上に浮かんで見える。お花畑は、ほぼ満開である。花は今が最盛期かもしれない。
 九合目の小屋に着いたが、トイレに鍵がかかっていた。実は、八合目のトイレにも鍵がかかっていたのだった。いったいどこで用を足せというのだろう。特にご婦人はお困りのことと思う。秋田では考えられないことである。Yさんの証言によると、「山形県人の結婚式に行くときの交通手段は自転車である。」とのこと。そういう○○な県民性だということで納得した。ちなみに、トイレは山開きの日(6月28日)に開けるそうだ。
 登りのコースタイム2時間を3時間もかけてようやく頂上についたが、今日は夏至でもあることだし、「まあいいか」と思うことにした。月山の頂上は神社だった。ここで私は、「どうか………ますように。」と願い事をした。叶うといいなと思いつつ裏手の石垣の上に登ると、そこは絶景だった。お姉さんたちは、まるで少女のようにはしゃいでいた。可愛いものである。
 月山の山頂は広い。また、そこにはクロユリという珍しい花がたくさん咲いていた。まるで月山の妖精のように。外国の伝説では、夏至の日の夜、妖精の国に最も近づけるということだった。(アニメ。ちびまる子ちゃんより、6/28放送)
 そして昼食、K・Kさんの用意してくれた豚汁とみんなが持ってきてくれた食料でおなかがいっぱいになった。MMさんは「腹が膨れた」と言って腹をたたいて喜んでいた。「あんた食い過ぎだよ。」とは、さすがに言えなかった。面白い人である。やっぱり山には主婦と来るに限ると思った。
 下山時は、登りよりも景色がよく見えた。無事に下山。帰りは、道の駅ねむの丘に寄って温泉と食事、結構よかったですよ。自宅に着いた時は、22時を過ぎていた。長い一日だったが、楽しかったです。メンバーの皆さんありがとうございました。それでは又ご一緒に。(富行)


6月13日(土)〜14日(日)駒ヶ岳八合目・乳頭山・大白森縦走

参加者

一枝、安河内、栄子、孝子(4名)

行程

八合目(10:20)〜湯森山(11:25/11:40)〜宿岩(12:20)〜乳頭山(14:30)〜田代平山荘(17:00)泊

報告1

 元会員の栄子さん(山形)、孝子さん(郡山)、戻り組の安河内さんと私、久々の同窓会登山計画です。早々と例会に話を通してましたが、日程の都合が合わなかったか、会員の参加者はおりませんでした。
 田沢湖高原にて待ち合わせ。二人とも気持ちよさそうに駐車場で身支度を整えて手を振っていた。でも、下界は好天なのに駒ヶ岳の稜線には岩手側から真っ白なガスが垂れ込めてきていた…。せっかくの登山なのに。
 八合目に着いても晴れることなく、皆、小屋の中に入って雨具を着用した。女性だけ4人の山行にしてはうらめしい限り。
 10時20分八合目発。真っ白のガスの海の中へ…。道ばたの白いヒナザクラ、赤いハクサンチドリ、ショウジョウバカマなど足もとに見ながら。にぎやかな話し声を山に弾ませながら湯森山着。天気が悪くても横岳方面から何人も来る。雨脚が強くて歩けないわけでもないし、花を見て歩くのには最高の日和かも。
 12時20分宿岩着、軽く昼食(立ち食い)。笊森山までの湿原の花、ハイマツの中から顔を覗かせている花、愛らしいヒメシャクナゲのピンク、ミヤマビャクシンの白っぽい丸い頭、コケモモの花、中でもムシトリスミレは、初めて見ましたし、沼の中から背伸びをしているように咲いているミツガシワの白い花、黒っぽい水たまりの中にスクッと立っていました。濡れ色のイワイチョウ、コイワカガミ、ベニバナイチゴの赤はひときわ緑の葉っぱの中から輝いている。重い荷物を背負いながらも腰を落として膝をついて見る。ミヤマウスユキソウは、笊森山の緩やかな登りの白い礫場の中に群花していた。
 千沼ヶ原はこの次にして、道は乳頭山へ。14時30分到着。栄子さんのビールで乾杯。登山者が次から次へと登ってきては下っていったが、私たちは、泊まるのだし。小屋はすぐ目の前ということもあり、中々立てない。
 17時小屋着。先客が2人。後から2パーティが来て、思い思いの酒宴をしていた。外の天気も明日の天気もさほど気にせず、とにかくたまの出会いを楽しんでいた。明日はただ孫六口へ下山だな。(一枝)

報告2

 久しぶりに会ってとても楽しい山行でした。皆変わったかなと期待したが、安河内さんは6年前のまま、栄子さんも一枝さんもいつもの通り、私だけがオオキクなっていた。
 山は、はじめての女性だけの山行で楽しみにしていたのに、天気が悪くて残念でした。でも、花もたくさん咲いていてキレイでしたし、田代平の小屋も新しくなってて寝心地が良かったよ。
 帰りには本場のタケノコがとれてうれしかった。今回行けなかった大白森・小白森は、秋の草紅葉の時期にぜひ行きたい。(孝子)


7月5日(日)森吉山・ノロ川コース

参加者

阿部、恵 その他数名

行程

市役所(5:40)→道路陥没地点(約20m位道路がなく、陥没した所を歩く)(8:25/8:45発)〜黒石出会(登山口)(9:00)〜割沢森(9:35)〜小池ヶ原湿原(11:20)〜ヒバクラ岳(12:05)〜山人平(12:25/13:45)〜小池ヶ原湿原(14:50)〜黒石出会(16:30)〜車止め(16:45着)→市役所(20:30)

報告

 私の主人が久しぶりに私を押し入れから出してくれたのは7月4日(土)。ほぼ半年ぶりです。
 私は登りたくてうずうずしていたのですが、主人ときたら腰が重いのか…。あまり文句をいうとへそを曲げてしまうので、きょうまで暗い押し入れのはじっこでじっとがまんをしてました。
 7月5日(日)、あと少しで登山口というところで道路が決壊。人が一人、十分気をつけて通れば向こうにたどりつけるという幅しかありません。下をみると断崖絶壁(だいぶオーバー)。私は主人が落ちないようにと祈りながら歩きました。
 最初は、私を運ぶ足どりも軽く、鼻うたまじりだったのに、階段になると足を上げることもままならず、何度も休んでもらいながらついていくのがやっと。主人も最初は私に気をつかいながら泥や水たまりをよけながら歩いてくれたのですが、もうそんな余裕もふっとんで、私が汚れるのもおかまいなしです。困った主人です。
 もう限界というところで、目にとびこんできたのが一面のニッコウキスゲ。私は顔中どろだらけでしたが、ちょっとした隙間からのぞいたやまぶき色が忘れられません。
 私の目線にはたくさんの山野草が咲いています。特に私が気に入ったのがギンリョウソウ。透明な茎なんて見たことがありません。たくさん汚されたけど、可憐な山野草を見ることができたから、許してあげようと思います。
 私の主人はたくさん山野草の名前を教えてもらっていたようだけど、今も覚えているかどうか、私には不明です。
 私の主人は私の手入れの仕方がなっていません。ただ水で泥の汚れをおとすだけです。大事に履きたいという気持ちはあるようです。今度例会に行ったときにみなさんどうやっているか聞きたいといってました。(恵)


8月9日(日)秋田駒ヶ岳

参加者

横田、富行、石川、船木、吉田、滋郎、番場、藤原、Nさん、Sさん(10名)

行程

市役所(6:30)→八合目(9:40/9:50)〜片倉岳〜阿弥陀池(10:45)〜男岳(11:00/12:00)〜八合目(12:50)

報告1

 ふくらはぎの一番の出っ張りの部分に筋・肉・痛という痛みをわずかに残し(ホントはかなり、きてる。階段下りるのにピョコタン、ピョコタンと大変! そう、一昨日の鳥海山は、正直、応えました!)
 この夏の私、山に登りたい(というより汗をかきたい)願望が無性に強くって、今まで眠っていた何かがムクッと起き出したような…。そんなものだから、駒ヶ岳登山の話にも即!「行きたい。」と答えが出せたように思う。
 考えてみれば、この2年間、やはり私の何かが眠っていたのだ。何もできなかった、というよりなにもしなかった。このままでいいワケない、とつぶやくばかりの私に、「時間は作り出すもの」「石川さんらしく山に登ろう」といい続けてくれたKさん。”ありがとう”と言いたい。
 山から帰って残るもの、それは山という雄大な自然と向き合うことのできた喜び。その姿は登るごと表情を変え、私たちに幸せをくれる。
 そしてもう一つ。仲間とのふれあい、語らいの時。山その時々に表情があるように、メンバー一人一人が作り出す味、美味なる時間を生み出してくれるのである。
 この日、帰省中の滋郎さんを交えての山行。「秋田はいいっスよ、自然がこんなに身近にある。」という彼の言葉が実感として響いてくると同時に、今その自然のまっただ中に身を置いているシアワセ感を感じることができ、嬉しかった。
 山、初体験が20数年前の”駒”。高3の夏の合宿(ソフトボールやってました)最終日、山好きの先生に連れられて登ったはじめての山。あの時のメンバー一人一人の顔(どの顔もこんがりと日に焼けて)、登山口から歩いて登ったこと、そしてジャンボジェットと自衛隊機のその日の事故のことなど思い出しながら、バスに揺られて八合目へと。
 今年初の山行ということもあり、足がいうことをきいてくれるかどうか不安はあったが、「駒ヶ岳でヘバったっていうの聞いたごとないっスよ。」という富行クンの励まし(?)の言葉に支えられ、男岳の山頂に立つ。
 途中出会った花たち。エゾシオガマ、シロバナトウウチソウ、トリカブト、ウメバチソウ、ベニバナイチゴ(実)、ミヤマリンドウ、ウサギギク、ハクサンシャジン、ヤマハハコ、オニアザミ、ノリウツギ、オヤマソバ、ミヤマホツツジ… これは後日船木さんが寄せてくれたいわば「花の記録〜8月の駒」といったもの。今こうして書き留めているの私は、名前と実際の花とが結びつかないので、ただ、感心するばかり。船木さんありがとう。
 最後に、この山行での美味なる時間を生み出してくれたメンバーは、富行くん、藤原くん、横田さん、番場さん、滋郎さん、そして友人のNさん、吉田さん、そして友人のSさん、船木さん、石川の総勢10名でした。(一人一人にありがとう。)(石川)

報告2

 先日(8月7日〜9日)は、元会員である私の身勝手なお願いを快くお引き受けいただき、本当にありがとうございました。
 お陰様で、来秋した友人たちも友人たちも、楽しく愉快に過ごせたことに、とても満足しておりました。
 藤原会長、一枝さん、石川さんはじめ、私たちのために貴重な時間を割いてくださったAYHの皆さんに厚くお礼申し上げます。
 秋田に遊びに来た彼らにとって、今回の山歩きや釣りは楽しかったことと思います。「一期一会」という言葉がありますが、滋賀県や香川県に住む彼ら(もちろん私たちも同じですが)は、もう二度と秋田県の山に足を歩み入れる機会はないのかもしれません。一生でただ一度のチャンスであったのかもしれません。あの時間と、あの場所で楽しく行動ができたこと、それを可能にしてくださったAYH山岳会の皆さんのご厚意を彼らは忘れることはないでしょう。
 私も、AYH山岳会の精神が、メンバーである皆さんの中に活き活きと息づき、花開いていることを確信し、自分もかつてAYH山岳会のメンバーであったことに誇りを感じています。
 個人的には「鳥海」山行には参加できず、安河内さんのお顔は拝見できませんでしたが、秋田駒ヶ岳山行では、久々に富行くん、船木さん、ヒメ(吉田さん)、横田さんとお会いすることもできました。4年前と少しも変わらぬ元気なご様子を拝見し、恒例の”トン汁”に舌鼓を打ち、おいしい空気や素晴らしい景色に触れ、とてもうれしく思いました。機会がありましたら、また一緒に山を歩きをしたいナ… と思っています。(滋郎) 


8月23日(日)鳥海山・祓川コース

参加者

一枝、富行、石川、たく、安河内、藤原、吉川、栄子、亜由美(9名)

報告

 今年三度目の鳥海山。春にはガスのため御田付近でリタイヤ。きょうはこの暑さでどこまでいけるかな…。「見晴らしの良い涼しいところで昼寝でもしようか…?」そのせいか少しずつ遅れている。
 この頃の会山行は、いつも富行さんと藤原さんがまるで引率者のように女性会員のリーダーである。数少ない男性会員の皆さん、ぜひ山行に参加されたし。富行さんは今年のトップかな?
 8:00駐車場着、早くも満車。8:30藤原さんを先頭に歩き出す。全く白い雪がない。ゴツゴツした山肌が迫ってくる。イメージがわいてこない。
 9:10賽の河原。水がほしい。暑くて汗がびっしょり。9:34御田。干上がっている。パサパサ。でも道々の両脇や草むらの中には濃い紫の林道が咲いている。
 9:53七ツ釜。他にバテ気味の人は?と辺りを見ても誰もいない。釜の底を見てもみずはチョロチョロ。
 10:25、1680m、一気に視界が開けた。山頂が覆い被さってくる。風が爽やか。ここが昼寝の場所だ。頂上行きは断念して昼寝タイム。頂上方面から元気な声が聞こえてきた。雲の切れ間から鉾立方面も見えてすごくいい時間を過ごしました。
 昼寝を終えて、烏形雪渓の踏み跡探しに散策した後下山。14:00祓川ヒュッテ着。アタック隊を待つのみ。(一枝)


9月6日(日)秋田駒ヶ岳 ・国見温泉コース

参加者

船木、阿部、安河内(3名)

行程

市役所(6:20)→国見温泉(8:05/8:25)〜横長根(9:20/9:30)〜大焼砂(10:10)〜横岳(11:00/11:07)〜阿弥陀池避難小屋(11:20)〜男女目岳(11:35/11:45)〜阿弥陀池(11:55/13:30)〜男岳分岐(14:35)〜横長根(15:15)〜国見温泉(16:00)

報告

 7月の山行予定は神室山だったが、前日に富行さんがキャンセルし、ハタと困った。阿部さんと安河内さんと電話連絡し合いながら、国見温泉からの駒ヶ岳登山に変更した。3人ともまた国見からは登ったことがない。”少人数で行くときには、まだ登っていないコースを登ってみたいよね”とは何とも心強い。
 駐車場には、すでに3台位車が止めてあり、夫婦であろう2人の後ろ姿ろを見て行く先を確認し合った。国見登山口には標高850mと書かれてある。横長根まで一気に登ること50分。その間、登りもかなりきつかったように思うが、3人ともおしゃべりに夢中なせいか、全然苦にならない。10分間休憩して、大焼砂に着いたのが10時10分。
 昨年7月中旬、大焼砂でコマクサの群生を見た。あまりの美しさに声も出なかった。初めてなだけに、あの可憐さは目に焼き付いて今も離れない。でも、岩手山で見たコマクサはこんなもんじゃないと皆さんは言う。ところがである。期待もしていなかったあのコマクサが何と咲いているではありませんか。”あれコマクサじゃない?”の一言に息をのんでそっと近づいてみた。まさしくコマクサ! それほど感激の対面であった。オヤマソバ、ウメバチソウ、タカネスミレもポツンポツンと咲いている。”夏の花なのに狂い咲きだね”で意見が一致した。コマクサのピンク色は遠くからもよく映える。”あそこにも咲いている!” ”どこどこ?”この会話がしばらく続いた。驚きと感激の対面。今日登って本当によかった。
 横長根から横岳まで90分。ガイドブックのコースタイムと全く同じである。阿弥陀池まで20分。小屋の前から男女目岳にも登ったが、会の登山ではほとんど男岳に登るので、これも新鮮でよかった。周りは紅葉の”はしり”で、うっすら色づいていた。
 1時30分下山開始。大焼砂につながる男岳分岐から下山することになった。私はこのコースが初めてである。”ムーミン谷”と呼ばれているらしい。ここでも驚き。お花畑がずーっと続くのである。チングルマの群生。花が終わって綿毛になっているのがほとんどだったが、場所によってはかわいい花も見られた。このお花畑から後ろを振り向くと、男岳、女岳、小岳がはっきりわかる。何年目かでやっと駒ヶ岳の全貌がつかめた気分に浸れた。
 国見温泉には二軒の宿があったが、奥にある森山荘の風呂に入って汗を流した。せっけんの泡が全然立たないのも面白いし、口に含めば苦いというのも国見温泉ならではかな。
 とにかく女三人気ままな登山。これまた楽し!の一言につきた。阿部さん、安河内さん本当にありがとう。(船木)


9月23日(日)一般募集登山・焼山越え

参加者

スタッフ CL藤原、宮腰夫妻、横田夫妻、一枝、石川、船木、番場夫妻、吉田、高橋、吉川、鈴木
一般参加者 約50名

行程

玉川温泉(9:00)〜名残峠(11:05)〜焼山(11:30/12:15)〜毛せん峠(12:50/13:00)〜後生掛温泉(14:05)→秋田駅東口(18:30解散)

報告

 年一度の大行事の一般募集登山も無事、終えることができました。「全行程3時間あまりという短い区間にしっとりとしたブナ林から荒涼とした火山風景、コケモモなどの低木が広がる毛せん峠、そして香りさわやかなアオモリトドマツの森など多彩な変化が楽しめる人気コース焼山を一緒に歩きましょう」のキャッチフレーズで、天候にも恵まれ、総勢60名が駅東口に集まり、大型バスに乗り込み、玉川温泉をめざしました。しかし、いつもは引率される身だったのに、今回、サブリーダーなどと少々冷や汗の出そうな名札をいただいた私は、一枝さんに「質問されてもしっかりと答えられるように少しの知識を持って勉強しておくように。」とアドバイスをいただき、「そうだよね。一般で来られる方は、私たちは皆知っているんだって思っているんだよね。私も逆の立場だったらきっとそう思う。」と、一枝さんの言葉をありがたく頂戴して、前の晩、本を見たりにわか仕込みをして臨んだのでした。
 そうこうしているうちに、バスは玉川温泉に。ここがあの全国的に名の知られている温泉と、横目で見ながら登山道へ。ブナ林を抜け、トドマツの香りを楽しみんでいると、急に視界が広がり、名残峠へ。そこから約15分ほどで焼山山荘着。ここで昼食。いつも腹八分目と心に決めているのに、ついつい満腹。またまた反省の私でした。
 焼山を後に毛せん峠をめざし出発。途中、「鬼ヶ城入口」と書いてあるのを発見。延暦9年、坂上田村麻呂に追われた蝦夷の武将・登鬼盛が立てこもったと言われているところだそうで、今でも白い噴煙を上げているには驚かされてしまった。
 コケモモ、ハイマツ、イソツツジの小低木のなだらかな斜面を下り、国見台へ。本当に見晴らしが良く、昔の人はよくいい地名を考えついたもんだと、単純に喜んだり感心したり。疲れを忘れさせてくれるひとときだった。
 下りは石がゴロゴロ。油断するところげそうな自分に気合いを入れ、トドマツの林を抜け、ブナ林を抜けると、あっ! あそこは後生掛温泉。やった〜。みんなよくがんばりました。
 最後にちょっとしたハプニングはあったものの、みんなとてもいい顔していました。私も今回引率組として大変、大変勉強になりました。行って良かった〜。そして、73歳のおじいちゃん、60歳台のおばあちゃんのガッツを見習って、何歳になってもステキなばあちゃんになりたいもんだと思った一日でした。みなさんに感謝、感謝。(吉川)

参加者の声

・今回のコースは絶対行きたいと思っていたコースでした。願い叶ってとてもうれしかった。(2班・Kさん)
・スタッフの皆さんにはとても感謝している。そしてお礼を言いたい。体を冷やしてしまい足がつってしまった。これからは体調を考えながらついていきたい。(一番高齢のKさん)
・スタッフがとても良かった。そして何よりうれしいのが中高年が多かったことで、たのしく登れた。ユースホステル山岳会になっているので若い人がいっぱいだと思っていたのでうれしかった。(1班・Yさん)
・いやだと言っている主人をつれて来たかいがあった。今まではパチンコが趣味だったが、こんどは山にしようかと言っている。(3班・Nさん)
・去年から登山を始め、今回初めて団体で登ったがとても楽しかった。こんどまたぜひ企画してほしい。(3班・Mさん)


11月1日(日)高松岳

参加者

宮腰、富行、一枝、畑山、阿部、吉川、村井、安河内、内海(9名)

行程

泥湯温泉(7:55)〜新湯(8:20)〜子安岳分岐(9:20)〜石神山分岐(9:50)〜高松岳(10:50/12:15)〜山伏岳(13:40/13:50)〜川原毛地獄(14:45)

報告

 川原毛に車をデポして、泥湯から歩き始める。最初は、低気圧が早めに通過して天気が上がっていくと思っていたが、稜線に出る前から雨が降り始める。雷に注意しながら子安岳から高松岳の稜線を行く。
 小屋に入ると風も強まり、帰りのことを考えるとうんざりする。正月休みに行こうと思って荷揚げしたマットなどをデポして、お昼頃下山を始める。
 2時間ほどで川原毛地獄に到着する。観光客がいっぱいで閉口する。冬の高松岳の下見に来たのに残念である。冬季の場合、やはり川原毛が安全であると思うが、山伏岳から高松岳の間の雪の状況と、悪天の場合のルートファインディングがポイントであろう。ただ、小屋の位置が山頂にあるので、天気に恵まれればすばらしい風景が楽しめると思う。行きたいと思う人は宮腰にに連絡を! 体力がない人ほど冬の場合は楽です、(下山時に足の負担が少ないため。)(宮腰)

 高松岳の打合せのときは、私を含めて女性3人だけの参加だった。紅葉の高松岳をぜひ見たいと思っていたし、2人もそうだと勝手に決めて3人で行くものと思っていた、ところが前々日、担当の伊藤さんから7人増えたとの連絡を受けたときには正直ほっとした。やはり気持ちのどこかに多少の不安があったのだ。最終的には鈴木さんが不参加となり、9人のパーティで登ることとなった。
 今年の紅葉は今一つ色づきがわるく、高松岳でも色鮮やかなモミジやカエデなどあまり見かけなかったが、それでもそれなりの味わいをみせていた。枯れ葉を踏むと沈み込む感触を足裏に感じたり、茶色や黄色の林の中を通り抜けるときに感じる透明になったような気持ちに浸ったり、どこからかただよう獣の匂いにさえ秋を感じたりと感傷にふけっていられたのも一時間半くらいだった。それから先は雨の中の山登り。引き返すパーティ数組とすれ違うが、我がリーダーには引き返すという文字はなく、黙々と雨・風に追い立てられるように山頂をめざして登っていく。
 山頂の小屋に着いた時にはもう最悪のびしょ濡れで、早速に着替えるがそれでも寒く、震えながらの昼食となった。昼食の間に雨は上がったが、一面真っ白の世界だ。そんな中、男性2人は、車を回すべく一足先に下りた。
 川原毛への道は、川の中を歩いているようなものだった。飛んだり、跳ねたり、すべったりと忙しく動き回りながら、無事に急斜面を降りることができた。
 昨年の6月に同コースを登っているが、今回は悪条件にもかかわらず前回より45分ばかり短い。ということは何を意味するか? 今回登ったみんなは、フフッ! 健脚ぞろいだった、としてもらいましょうか。(阿部)


11月29日(日)乳頭山

参加者

小貫、一枝、石川、阿部、安河内、村井(6名)

行程

市役所(6:40)→黒湯温泉駐車場(8:50/9:10)〜孫六温泉登山口(9:25)〜稜線分岐(11:00)〜田代平山荘(11:25/11:30)〜乳頭山頂(12:10/12:40)〜孫六温泉登山口(15:10)

報告

 冬の日は明るくなるのが遅い。まだ朝の明けていない町を眠い目を擦りながら彼は車を転がしていた。今回も電話で起こされてしまったのである。集合場所に着いた時には、すでにメンバーが揃っていた。「いやー、申し訳ない。」これが寝起きの顔で精一杯の能力で考えついた最高のお詫びの言葉だった。
 一行6名は、2台の車で早々に出発。御所野を過ぎる頃には朝焼けを見ながら車は一路田沢へと向かっていた。途中、角館のサークルKに寄り、食料を購入。高原温泉を過ぎたあたりから道路が凍結していた。久しぶりで凍った道路を走る。少し緊張して運転したが、新品スタッドレスは具合が良い。曲がりくねった道を進み、休暇村の横を通り、車は黒湯の駐車場に着いた。駐車場には4、5台の車が止まっていた。
 身支度を整え、いざ出発。ところが、道路が凍っていて、登山靴でも滑る、滑る。孫六温泉の前で小休止をして尾根へと取り付いた。と、”もしかして”と思いながらも歩を進めた。初めの急斜面を登っている途中で、ダブルヤッケの中は蒸し風呂と化した。たまらずダブルヤッケを脱ぐ。程なく。ブナ林の中を行くことになるのだけれども、ナントナント、登り始めの”もしかして”が現実となった。毎回、乳頭の冬はラッセルをして頂上にたどり着き、田代平の小屋に戻ると後から来たパーティに感謝されていた。ところが、なんとすでに踏み跡があるではないか。それも堅くなった踏み跡である。ラッセルのない国道クラスの冬の登山など初体験の出来事である。
 やがて、オオシラビソの林を抜け、稜線分岐に着いた。標識がまだ背の高さもあるほど残っていた。今日の天気は最高、最高。南には青いキャンバスに男女目岳がくっきりと浮かび、右側に田沢湖が、その奥に森吉山が、北には遠く八幡平が、目の前の雪原には鳥の足跡かな、等々。体重と重力との関係で道を踏み抜くなどしながら、田代平山荘に到着。
 荷を軽くしながら山頂に向かった。ところが、すぐに両足ふとももがカチンカチンになってしまった。この状態で頂上に行くのは無理と判断し、一人、小屋に戻ることにした。
 陽射しがあり、風もあまり強く吹いていなかったせいか、小屋の中よりは外のほうが暖かい。小屋の前の木道を掘り出して腰掛け、お湯を沸かしながら頂上のほうに目をやると、夏とは違い見通しが良いので、人影がはっきりと見える。
 頂上に行った一行が戻ったので、小屋の中で昼食。その後下山。下山はいつものことながら早い。温泉に入り、ゆっくりと疲れをとった。
 今日は天気に恵まれたし、ラッセルもなく、冬山としては最高の冬山だった。ただし、体力については衰えたかな。まぁ。無理、無茶をしなければ良いのでは?(小貫)


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