H26年8月31日(日)桃洞沢〜赤水沢周回&赤水沢往復合同山行 藤田会長のレポート


 当会恒例の森吉山赤水沢の沢歩き山行ですが、今回はいくつか初の試みがありました。 
 一つは定例山行として桃洞滝〜赤水沢周回コースというザイルを必要とするコースを計画したことです。このコースは昨年、山慣れした数人で実施したコースでした。マタギステップなどが充実していて、懸垂下降さえ気をつけてできれば他の会員も連れてくることができると判断しての試みです。
 もう一つは、パーティを二つに分け、兎滝往復のAコースと、桃洞の滝〜赤水沢周回コースで別行動としたことです。
 結果としては、一つ目の試みは成功でした。悪路もあるので個人の技量は確認しなければいけませんが、経験者がしっかりとフォローすれば会の定例山行として、初チャレンジの人でも十分に行けるコースだと確信しました。
 二つ目の試みは、AコースとBコースで行動時間が違いすぎる点を改善しないと一緒に行く意味があまりないと分かりました。Aコースの人たちも最初は桃洞の滝まで一緒に行って、そこから兎滝を目指す感じが良いかもしれません。Aコースの人たちが先に帰るような場合は、鳥獣保護センターに車を止めたほうが待ち時間を過ごす場所としてはよいとの意見ももらいました。それと、AコースとBコースで担当は分けるべきでした。当初、Aコースを先導してくれる人がなかなか見つからなかったことと、やはり2コース分の計画と実施は負担が大きかったためです。

 以降、Bコースの感想です。
 今山行の最大の問題点は出発してから沢に入るまでの登山道にありました。『ブヨや蚊がすごすぎる』。それはもう恐ろしいばかりでした。払っても払ってもまだ寄ってきます。みんな、顔や腕を大量に刺されて数人は下山後に医者に通ったとのことでした。時期のせいなのでしょうか?暑い日のほうが沢を満喫できるという意味でも8月上旬にこのコースは計画するべきだったのかもしれません。お盆過ぎは海にクラゲが出るように、湿地にはブヨや蚊が多くなるのかもしれません。
 赤水との分岐点でAコースの人たちと別れて5人で桃洞の滝を目指します。沢に入ってしまえば虫もおらず、天気も回復して快適な沢歩きが楽しめました。桃洞の滝で各自ハーネスとヘルメットをかぶっていよいよ滝登りです。桃洞滝はマタギステップが充実していて安心して登れます。滝をこえるとそこは別天地です。テンションをあげながら楽しく歩いていきました。
 九段の滝との分岐で休憩を取り、左側の沢へと折れていきます。しばらく快適な沢歩きを堪能すると、男滝が見えてきます。この滝は高度感があり、こえるのに慎重を要しますが、トラロープが張ってあったので助かりました。しばらくして沢の出会いにつきます。ここは右側の大きい沢でなく左側の小さい沢へ入ります。ここから沢が狭くなり歩きにくくなっていきます。次の出会いを右へ曲がります、ここにはピンクテープで道しるべがついていたので安心して進めました。ここからさらに狭い沢筋を歩き、滝を一つ高巻くと、間もなく乗越に到着です。ここまで九段の滝を含めて大きな出会いが3つありました。ここで折れる方向を間違えないよう要注意です。
 乗越で一休憩取った後、赤水沢を目指します。下るのに勇気のいるような割と急な斜面もありましたが、スパイク地下足袋ががっちり噛んでくれて、スリリングで楽しい下りでした。兎滝につくまで懸垂下降を必要とする滝が3つ、最初の滝でレクチャーをして3名が懸垂下降初チャレンジでした。みんな、慎重ながらも確実にこなせて一安心です。懸垂下降は人数が多いと時間がかかるので、Bコースは5人くらいが限度だと思います。
 兎滝を降りると、枯れ木で書いた素敵なメッセージがありました。「カエルAYH」「オツカレ」「^▽^」などなど、Aコースの人たちからの伝言です。気持ちがほっこりしました。後から聞くと、1時間くらい待っていてくれたようでしたが、寒くなったのでメッセージを残して下山したのだということでした。
 我々もここで昼食をとり一休みです。遠くで遠雷が鳴っており、早々に出発しましたが、出発して間もなく強い通り雨にあってしまいました。驚いたのは、一時の雨だったにもかかわらず沢がみるみる濁流化していったことです。歩けないほどの危険があったわけではないものの、沢底が見えずたびたび溝に足を取られました。所々に大きな甌穴がある沢なので慎重に歩かなければいけません。歩いている限りは大丈夫ですが、流れがそれなりに急だったため、足を取られたりして転んでしまうと流されてしまう危険もあります。なかなかに肝を冷やしました。前日から降っていたわけでもなく、ついさっきまで穏やかな流れだったのに、ここまで沢の状況が急変するものとは思っておらず、大切な経験をさせてもらいました。慎重な天候判断をしていたつもりではありましたが、このコースではさらに輪をかけて慎重になる必要があるようです。
 何とか無事に沢を出て、再度ブヨや蚊に悩まされながらも駐車場に到着です。
 満喫できました。やはりこのコースは最高です。今後も定例化して多くの人とこの感動を共有したいものです。(藤田)


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